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諢話浮世風呂
三編上
〈えへん〉浮世風呂の風呂の中にて、女の数が五人六人七人ちかく居はべりて、〈○中略〉〈えへん〉しやべり侍りて、又後にはたがひに湯おあびみあびずみ、かけみかけずみ、〈○中略〉くるひはべりしが、その湯が〈えへん〉其湯がはね侍りければ、そこでかみさんはら立はべり、がつ点せぬとて四の五の侍りけるお、やう〳〵になだめ侍りて、百万年の御いはひといはひ侍る〈つ、ばんとう〉よしか〈子〉、そこで歌に、銭金は涌出る湯屋の手ぬぐひ(○○○○)で年のかしらおふくは来にけり