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類聚名物考
調度七
櫃 ひつ
櫃には大小有りて、その形ちも同じからず、長櫃あり、横ひつあり、足付たるもあり、韓の製なるもありて、きはめたる形はなし、今の曲物の如くにして、樺にてとぢたるも有りと見ゆ、めんつ長鉢といふの類ひ是なり、新六帖に櫃河およめる歌に、ひつ河の岸に匂へるかば桜ちるこそ花のとぢめなりけれ、と有るにてしられたり、大なるは今の小袖櫃の如くにて、ながひつは今の長持なり、