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嫁入記
一長もちこしらゆるやう、はくふにて一はたばりに、だいのわたしの下よりまはして、おほひの下から、ひとへにふたの中にまむすびにするなり、おのあまりは、みよきほどなり、これおはらおびと申なり、手綱と申は、ほつけんなどおあかねにそめて、一寸ばかりにひらぐけにして、四のはしお一からみづゝからみて、ひらの方にてとりあはせて、ひぼのごとくむすびて、手綱のさきはすこしたるゝやうにしておくなり、からみやうは、一まきづゝまくに、むき合てまくなり、さすは台の雲形の下より入て、くもがたにかはおつけてむすぶべし、ながもちのかずは二人もち一荷なれば、一人もち一荷たるべし、そう〴〵かずは半に有べし、おほひの事、おり物にてする也、きぬおうらに付候、これも台のあしほど長さおすべし、すこしは足よりみじかきがよきなり、四すみお、ふたの上からほころばしてするなり、手綱はおほひの上よりするなり、手綱の上になるやうに、四のすみの中程に、ちおつくるなり、とりあはせゆふなり、