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東雅
八/器用
箱はこ 倭名抄に楊氏漢語抄お引て、篋筥匡匪皆読てはこといふ、はこといふ義不詳、柳筥などいふ者ありて、木おもて作りて、はこといふものもあれど、倭名抄にも、箱お竹器の類に載せしかば、はこといふ者は、もとこれ竹おもて作れるものに始りて、これもまた籠るの義によれるとは見えたり、蓋読でふたといふは、旧説に二つの義にて、箱の蓋お開きぬれば、二つとなるなどいふ事見えたれど、〈直指抄に〉これは唯ふたぐの義にて、其開きし所お塞(ふたぐ)お雲ひしと見えたり、