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徒然草

柳筥にすゆるものは、たてざまよこざま物によるべきにや、巻物などはたてざまにおきて、木のあはひより紙ひねりお通してゆひつく、硯もたてざまに置たる、筆ころばずよしと、三条右大臣殿仰られき、勘解由小路の家の能書の人々は、かりにもたてざまにおかるゝ事なし、必よこざまにすへられ侍りき、