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世間妾形気

織姫のぼつとり者は取て置の玉手箱
夏の夜は浦島が子の箱なれやはかなく明てくやしからまし、〈○中略〉みめかたちはもとより、心の若々しさ、一つとして古びのこぬは、我ながらもめんような玉手箱の奇特と、神酒お供へ灯明おてらして、弥勒の代までもかたち替らで、よい男百人も持(もた)しかへさせ給へと、朝夕いのるかひ有りて、〈○下略〉