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後撰和歌集
十六/雑
元長のみこのすみ侍りける時、てまさぐりに何いれて侍りける箱にか有りけむ、した帯してゆひて、又こむ時にあけむとて、物のかみにさし置きていで侍りにける後、常明のみこにとりかくされて、月日久しく侍りて、ありし家にかへりて、此箱お元長のみこに送るとて、 中務あけてだに何にかはせむ水の江の浦島の子お思ひ遣りつゝ