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守貞漫稿
後集四/雑器
今世京坂小民の婦女等、野外などに遊ぶ時だんぶくろ(○○○○○)と雲お携ふ者あり、番袋(○○)の訛なるべし、其製絹縮緬の類お表とし、麻木綿等お裏としたる袷囊の口周りには、かヾり糸お用ひず、異裁お縫付け、是に組緒お貫通し、括之こと、上刺袋と同じ、表一色お以て製すあり、或は小裁お集め、数色お継合て製すもあり、大さ方四五寸、或は七八寸、大小無定、
形上刺囊と同意にて、上狭きに非ず、底も方形にて周りに縫目あり、
食類及び紙たばこ手巾珠数等お納む、衣類お納ることは希也、
京坂小民は男も往々持之、江戸は男子は勿論婦女も、如此袋お携ふ者甚だ希也、