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今昔物語
二十八
左京属紀茂経鯛荒巻進大夫語第三十
今昔、左京の大夫 の と雲ふ旧君達有けり、〈○中略〉茂経は殿お出て、左京の大夫の許に行て見れば、大夫は出居て客人二三人許来たり、大夫其の主せむとて、九月の下旬許の程の事なれば、地火炉に火おこしなどして、物食はむと為るに、墓々しき魚もなし、鯉鳥なども用有気也、