[p.0711]
徒然草

御前の火炉に、火おおく時は、火ばししてはさむ事なし、かはらけよりたゞちにうつすべし、さればころびおちぬ様に心得て、炭おつむべきなり、八幡の御幸に、供奉の人浄衣おきて、手にて炭おさゝれければ、ある有職の人、しろき物おきたる日は、火ばしお用るくるしからずと申されけり、