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倭訓栞
前編十四/多
たまはゝき 万葉集に、春正月三日召侍従竪子王臣等令侍於内裏之東屋垣下、則賜玉箒四宴と書し、また玉箒かりこ鎌麻呂とも見えたれば、地膚おいふなるべし、本草にも玉彗玉帚の名あり、今いふものは筥根草の茎にてこしらへたる也、〈○中略〉南都東大寺正倉院に、子日鋤及玉箒ありて、其図おみれば、別にかはれる体也、是古へ帝王躬耕、后妃親蚕の遺意なるべし、