[p.0737]
貞丈雑記
十一/武具
一後三年の絵に見えたる幕、四幅なり、五幅の幕一つ見えたり、何れも上の幅二幅は黒く、下の方は白、又は上二幅白、下二幅黒もあり、紋はかりがねお書きたるもあり鳩お向ひ合せて書きたるもあり、紋の付け所は、何れも上一幅に紋お書きたり、義家の陣御座所には、赤き幔幕なり、青白などにてもつかうの地紋あり、〈たてもつかうなり、染物か織物か、絵なる故其わかちはなし、〉又無紋青白幅交もあり、