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古今要覧稿
器財
あげはり〈帷 幕 幄〉
古書に帷幕と連ね用ゆるは、ひとへにまくといふことにて、〈○中略〉これお用ゆるは、客来酒宴、普請露破の節張設ると〈三光院内府記〉いひ、其制は、六幅幕、八幅幕と、〈和名抄引唐式〉あれども、七幅の物も〈延喜式〉あり、近世は多く五幅お用ゆ、長さは一丈九尺五寸、〈延喜式〉二丈五尺、〈体源抄〉また三丈六尺、〈大江真忠相伝〉近世は二丈八尺、これ一匹の布お用ゆる故と〈本朝軍器考〉いへり、其料は絹も布もあり、朝廷にて用ゆるもの、兵士の用ゆるもの皆同じく、当世は多く一重にて用ゆれども、古は必裏付るものにて、表料紺帛、裏緋帛といふこと〈延喜式〉見えたり、色は多く紺お用ゆ、