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古今要覧稿
器財
あげはり〈帷 幕 幄〉
陣幕は、二張お陰陽一対、また一双といひて、二丈八尺の布十二幅〈武法軍器弁雲、十二月おかたどる、〉の内、二幅お乳と手縄の料、内三分お手縄とし、一分お乳とす、乳は延喜式に紐といひ、手縄は綱(○)といふものにて、手縄の長さ七間半、幕の両端へ三尺づゝいづるやうにすと〈和漢三才図会〉見えたり、乳は黒白青の三色お用ゆ、また高家は白なり、〈大江真忠相伝〉乳付の間一尺二寸、色は手縄まぜ色なればまぜ色、一色なればまた一色と〈体源抄〉あり、其数二十八なるは天の廿八宿に像り、陽とし、三十六なるは地の三十六禽に像り、陰とすと〈本朝軍器考〉いへり、かつはゞの綴目に、物見とて九の穴あるは、北斗七星と日月に像る〈和漢三才図会〉なり、其表に纐纈おつく、