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鷺水閑談

義経一の谷首実撿の事
源の義経一の谷首実撿の時、打給ふ御幕総白、〈是おしたじろといふ〉むかしは引両也、義経は曲彔にめされ、長刀お持給ふは、故実ある事也、幕は五行陰陽お表す、陰の方の物見お日天の物見といひ、陽の方の物見お月天の物見といふ、又貪狼、禄存、巨門、廉貞、文曲、破軍、武曲の七星の物見あり、内に五仏お納む、中尊お大日とし、陰の方に弥陀、観音、陽の方に釈迦、不動、よしつねの幕の古法是也、