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今昔物語
二十八
円融院御子日参曾禰吉忠語第三
今昔、円融院の天皇位去らせ給て後、御子の日の消遥の為に、船岳と雲ふ所に出させ給ける、〈○中略〉船岳の北面に、小松所々に群生たる中に、遣水お遣り、石お立、砂お敷て、唐錦の平張お立て、簾お懸、板敷お敷き、高欄おぞして、其の微妙き事無限し、其れに御まして、其の廻に同錦の幕(○○○)お引廻かしたり、