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今川大双紙

陣具に付て式法之事
一幕打たる所へ入様之事、両手にて幕おつくばいながら折あげて入べし、又出る時は、左の手おつきて、右にてあげて可出也、努々家の紋の有所お出入事有べからず、紋のなき所おうちあげべし、秘すべし〳〵、
一幕にてかりそめも手などのごふ事なし、幕にかりそめにもかくる物とては、母衣に、旗、大将の御弓計也、
一幕の名所、幕はこわふと雲物、いき出て幕と成る也、然る間のお五色にする也、大幕といふは乳のかず八十一つく也、今は半幕也、小幕とは内幕也、五四三二一、幕の名所也、
一幕おたゝみて、鎧甲の上に置時は、たゝみて三つに折、手縄にて十文字にゆふべし、鎧びつにゆたん有べし、其上に置べし、総じて鎧甲の上に置物は、はた、まく、征矢、是三つより外はおかず、