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古今要覧稿
器財
あげはり〈帷 幕 幄〉
あげはり、〈古事記、日本組傍訓、倭名類聚抄、〉あげはりは揚張の義、屋のごとく上に張りて宮室に像りたるなり、しかるに横もまた通じて言なり、故に倭名抄に幄の字おあて、古事記に帷幕の字おあて、日本紀に幕の字おあてたるは、これらの字皆通じ用ゆればなり、玉篇にも、帷、幕、帳、幔等の字同じといへり、〈○中略〉幄、〈延喜式、江家次第、説文、左氏伝、前漢書、〉幄は屋の義にて、やねおふきたるごとくおほひたる義なるべし、