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源氏物語
二十四/胡蝶
春のうへの御心ざしに、仏に花たてまつらせたまふ、とりてふにさうそきわけたるわらはべ八人、〈○中略〉みなみの御まへの山ぎはよりこぎ出て、おまへに出るほど、風吹てかめの桜すこしうちちりまがふ、いとうらゝかにはれて、霞のまよりたち出たるは、いと哀になまめきて見ゆ、わざとひらばり(○○○○)などもうつされず、おまへにわたれるらうおがく屋のさまにして、〈○下略〉