[p.0783][p.0784]
東雅
八/器用
帷かたびら 倭名抄屏障具に、釈名お引て、帷は囲也、以自障囲也、読てかたびらといふと注したり、かたびらといふ義不詳、〈倭名抄澡浴具に、温室経論語注等お引て、内衣明衣並読てゆかたびおといふと注したり、又俗に大帷子などしるして、帷の字読てかたびらといふものあり、すべてこれらの名義不詳、〉又倭名抄に見えし幕まくといふは、其字の音也、又帟ひらばりといふは、周礼注に平帳曰帟之義也、幄あげはりといふは、小爾雅に覆帳謂之幄之義也、幔まだらまくといふは、本朝式斑幔之義也、幌おばとばりといふ也、凡帟帳之属おはりといふは、釈名に帳張也といふ義によれりとみゆ、さらば小帳曰斗之義によりてとばりといひしもしるべからず、和名抄に、帳は此間に長といふと注せしは、字の音おもてよぶ也、俗亦読てたれぬのといふ也、