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玉勝間
十一
ゆかたびら かたびら
浴して著る衣お、俗にゆかたといふは、同じ物語〈○栄花物語〉玉のかざりの巻に、御ゆかたびらとあるこれなり、ついでにいはむ、かたびらとは、今の世には布の衣おのみいへど、もとさにはあらず、裏なく一重なる物お、何にまれかたびらとはいふなり、