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古今要覧稿
器財
あげはり〈帷 幕 幄〉
帷、〈古事記、日本紀孝徳紀、周礼、前漢書、〉帷は古文囲と通じて、四方にはりまはしたる義なり、周礼の注に、在傍曰帷、又三礼図に、四傍及上曰帷とあり、また論語非帷裳必殺之お、疏に在下之裳、其制正幅如帷、名曰帷裳、則無殺縫とときたれば、帷裳などあるも、その幅お竪ざまにぬふお以てなるべし、〈○中略〉かたびら、〈日本紀傍訓、和名抄、〉和訓栞雲、傍平の義、布衫のことおさいふは、帷に用ゆる布もて衣にしたるものなり、論語疏には、正幅如帷、名曰帷裳とあり、二説いづれもいはれあり、