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安斎随筆
後編十一
一帳 類聚雑要に帳台の図有之候、然ども帳の全体不分明候、今愚按暗推お図にして問之、〈○図略〉
如帳は古今変異有之間敷歟、右委細可示給候、
雑要図に玄隔参差なし、布毎に垂紐あり、〈此布の数は不覚悟也〉地白綾にて、唐鳥唐花お五色の糸にて繡せり、紐には胡粉にて蝶鳥お画けり、帽額はなし、長さは浜床へ垂かゝりて、蚊屋の長けのごとくなり、上の耳はふくろ縫にして、台の桁へ打組おもつて結付く、前後に口あり、帳へ入御の時は、後の口より入御あり、還御も又同じ、正中に御倚子お居へ、朱ぬりにて青瑣あり、帳の裏は紫也、上は承麈あり、竪横布の事は不覚悟に御座候、白き平緒のやうに覚へ申候へども、是も袋耳にて桁へ打紐にて結付けたるやう也、