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栄花物語
二十二/とりのまひ
六月〈○万寿元年〉にもなりぬれば、廿六日、かの薬師堂の供養、れいの事どもえもいはずめでたし、〈○中略〉このほとけの御うしろ、ひんがしのかたに、まごとにとおたてたり、仏の御うしろには、みかうしおみじかやかにしわたして、むらさきのすそごの御帳にて泥してえがきて、むらごのひもしたり、いみじうなまめかしうみえたり、