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禁腋秘抄
紫宸殿
節会、二孟旬、主上春宮御元服などおこなはる、母屋の中央に御帳おたつ、中に御倚子おたつ、師子こま犬、御帳の外にあり、〈○中略〉
清凉殿
常にわたらせ給殿なり、中殿とも雲、〈○中略〉御帳の帳おかけたり、四幅四条、五幅四帖也、三方の中おあけて、後並に四の角お垂たり、四尺の木帳三本、三方のあきたる下に立、後は三尺の木帳なり、御帳の帷お垂たるが故に、木丁御帳の艮の方にすぢかへて立、内に雲〓の御座三帖おしく、御帳の前の下に左右に師子狛犬有、〈○中略〉
夜のおとヾは、御帳日の御座の如し、壁代懸たり、四の隅に灯炉有、掻灯の所にくはしく見へたり、御帳の御枕の方にづし二、あとの方に鏡かけたり、昼の御座に同じ、御いかなど此所にたてらる、板敷の下、しつけお去んため、三尺ばかり深く堀たる由、古老伝に有由、長暦御記に見へたり、