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代始和抄
御禊行幸事
当日は大内より川原へ行幸なる、〈○中略〉河原頓宮にいたりては、まづ御膳幄に御輿およせて下御ならせ給ふ、これより腰輿にめされて、御禊の幄にうつらせ給ふ、主上は百子帳の内の大床子に著御し給ふ、百子帳といふは、檳榔おもて頂おおほひて、四方に帷おかけて、前後おひらきて出入するやうに飾りたり其中に毯代おしきて、大床子お立たり、この床子につかせ給ふ也、百子の名、其説いまだつまびらかならず、一には百子は多きおいふ、此帳おつくる支度のおほき心おいふべし、