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松屋筆記
八十九
朽木形几帳
与清曰、くち木形の名義、伊勢貞丈が死木にはあらで、落葉したる木なめりといへるも、一わたりさもとおもはるれど、なほいかにぞや、こは朽木の枝の形なれば、然いへりと見ゆ、栄花若枝に、此春には、うもれ木となきにやとあるおも思ふべし、冬春の間は、几帳の帷の文様朽木形なれば、朽木形の几帳といへり、されど朽木形のみに限れるにあらず、夏秋の間は、生に胡粉もて華鳥おえがきたる帷お用ふ、几帳の図、類聚雑要抄、〈四巻〉几帳制度考など考て知べし、