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雅亮装束抄

もやひさしのてうどたつる事
たかまつ(○○○○)のぜんざうおかく、東三条にありしは、さが野にかりせし少将(○○○○○○○○○○)おぞかゝれたりし、これおたつることまれの事なり、〈○中略〉 だいきやうのこと
つくえおたてゝきやうおばすふるなり、〈○中略〉もや三方にみすおかけて、おろしたるうへに、ぜんじやうとて、まんのやうにて、きぬにたかきまつおほんたいにて、しきのきどもおかきたり、のゝ一あるがひろきへりの、むらさきいろなるさしまはしたるお、みすのうへにひくなり、これらしきのえおかきたれば、春おひんがしにはじめてひくべし、もやのみすのもかうのしものきはにおしあてゝひくべし、もとひもおまんのやうにつけて、つなおぐしたれどもつなしてはひくべからず、つなのおはみすとぜんじやうとのなかにおしかへして、へりのなかにこはしのいたおいれて、もかうのしものきはにおしあてゝ、はしらにとぢつけたるがよきなり、たけみじかくて、しものすかむなかへりみすふたつかいきあるおば、はなつきに人のするなり、そのぎわろし、ひとへりおひきかさねてひくべし、たゞしまはひろくて、ぜんじやうはせばくば、ちがへることかなはじ、はなつきにもすべし、