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古今要覧稿
器財
かべしろのちやう かべしろ
或説雲、壁代は総体白き平絹お用ゆ、但あはせ縫なり、おなじく裏は紫羽二重にて縫、紐は表うらともに同じ所に縫付るなり、胡粉にて蝶鳥の形お画きて、綴糸は練ぬきのより糸お以てぬふ、長さ七尺三寸、幅一尺一寸、仕立あげのつもりなり、但一流の分なり、おの〳〵鯨尺お用ゆ、
按に、此説信じがたし、長七尺三寸といふは鯨尺也といへば、曲尺にて九尺一寸二分五厘にあたる、類聚雑要抄に九尺八寸といふとあはず、また主殿寮雑話に一丈といふともあはず、また幅一尺一寸といふもいかゞ、古書には六幅または七幅といひて、広さお尺にてははからず、疑らくは後人推量していへるならん、