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古事記伝
三十八
多都碁母々は、防壁もなり、〈下の母は辞〉和名抄に、釈名雲、縛壁以席縛著於壁也、漢語抄雲、防壁、多都古毛とあり、大神宮儀式帳に蒲立薦三張、〈外宮儀式帳にも如此見えて、三張は三枚とあり、〉主計式に、防壁一枚〈長四丈、広七尺、〉と見ゆ、此れらと、こゝの御歌とお合せて思ふに、席お続合せて、屏風の如く立る物と見えたり、名は儀式帳に書る如く、立薦の意なるべし、〈和名抄の縛壁は少し当りがたし、縛著於壁と雲は違へり、〉