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進退記
御簾高く巻上る事
一御簾のかけ様、神前の御簾は、かぎもこまるも外にあり、人間のみすは鉤もこまるも内にあるものなり、然間巻時は内へ巻て鉤に懸べし、又みす高く巻くには、引合にても杉原にても、三たけ四たけにもつぎて、四つに折て、みすの内へ、もつかうきぬの下より、両方へ同程に引出して、両方同じごとくにして、みす高く巻上てゆふべし、ゆひ様、一むすびしてねちかふ也、両方のねぢかふ所、むかひあふ様に見あはせてする也、其時はかぎもこまるもまきこむる也、自然みす高く巻上られ候事あらば如此すべし、みす巻時は、両人にてみすの外へ参て巻べし、時により一人にても巻べし、