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安斎随筆
後編二
一布のもかう つれ〴〵草に見えたり、源氏朝貌の巻に、にび色のみすに黒き木丁のすきかげあはれに雲々、是は槿斎院の服中の事也、〈細〉隻今服したるによりて也、〈花鳥〉服者の所の御簾のへり、もつかうには、にび色の布お用る也、黒き木丁とは、几帳の手黒ぬりにして、まきえらてんおし、かたびらは是もにび色也、