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狭衣
三上
おはしつきたれば、かどなどもなくて、たゞくぎぬきといふ物おぞしたりける、道すえおいれて、もしありし山ぶしやあると、たづねさせ給へば、しばしありて、とくたゞいらせ給へとあれば、しるべするまゝに入給へり、すこしはなれたる所の、かみさうじ(○○○○○)などばかりにて、あらあらしきかりそめのいどころと見えたり、