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後奈良院御撰何曾之解
もろこしの社は唐神の意なり、身おきよむるは精進の意なり、精進障子、ともにしやうじとも、さうじともいへば、合せてからかみさうじと解たるなり、さて此ものは、今からかみとのみいふは略語なり、ふすまといふは、もと衾の名なるお、臥席の間にたつるよりかくもいふなり、からかみ障子とつゞきて一種の名なり、今世にいふ如く、からかみと障子とふたしなにはあらず、今いふ障子は、むかしはあかり障子といへり、たゞ障子といふ時は、すなはち裏表ともに張かさねたる、今のふすまのことなり、間お障へへだつるによりて障子といふなり、子は金子、扇子、鑊子などいふに同じ、