[p.0903]
栄花物語
八/初花
五日の夜は、殿の御うぶやしなひせさせ給、十五夜〈○完弘五年九月〉の月くもりなく、秋深き露のひかりに、めでたきおりなり、上達部殿上人まいりたり、東のたいに西むきに、北おかみにてつき給へり、南のひさしに北むきに、殿上人の座はにしおかみなり、しろきあやの御屏風お(○○○○○○○○○○)、もやのみすにそへてたてわたしたり、