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古今著聞集
十一/画図
帥のおとゞに屏風お売人有けり、公茂弘高などに見せられけり、公茂弘高おまねき、ていひけるは、此野筋、此松、女及べからず、おそらくは公忠がかく所か、弘高承伏しけり、公茂が雲、公忠は屏風おかくとては、必ずその屏風のひらのすみごとに、おのれが名おかけり、こゝろみにはなちて見るに、あんのごとく公忠が字ありけり、いみじかりける事也、