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貞丈雑記
十四/家作
名ある御屏風(○○○○○○)とは、太宋の御屏風、月次御屏風、漢書の御屏風、地獄変の御屏風の類なり、太宋の御屏風は、唐人打毬の絵なり、月次の御屏風とは、年中行事の絵なり、漢書の屏風は、漢書に載せたる政事どもお書くなり、地獄変の御屏風は、地獄の絵お書きたるなり、是れは十二月晦日、御仏名の時に立つなり、又坤元錄の内屏風といふもあり、坤元錄といふ書に載せたる山河などの形お絵がきたるなり、朗詠の覚明の注に、坤元錄の屏風の詩と所、々にあり、詩おも書けるなるべし、