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類聚名物考
調度四
りうびん 竜鬢
思ふに、これは畳の一重しとねなり、今の世に段錦(だんにしき)といふ物お、りうびんと覚えたるはいかにぞや、唐に竜鬢席あり、その物おいふか、また今薩摩のくにより出る畳に竜びん有、目のあらさ壱寸ばかり有て、甚あつく、藺の太さ常には四五筋合たるが、長さは幅とほりたる有、是古への物なるべき歟、