[p.0033]
今昔物語
二十
義紹院不知化人被返施悔語第四十
今昔、義紹院と雲僧有けり、元興寺の僧とて、止事無き学生也、其れが京より元興寺に行けるに、冬の比也、泉川原(いづみのかはらの)風極て気惡(けあし)く吹て寒き事無限し、夜立の杜の程に行けるに、墓の隠れに藁薦(わらごも/○○)と雲ふ物お腰に巻て低れ臥せる法師有り、