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枕草子

七月ばかりいみじくあつければ、よろづの所あけながら、夜もあかすに、月のころはねおきて見いだすもいとおかし、やみも又おかし、有明はたいふもおろかなり、いとつやゝかなるいたのはしちかう、あざやかなるたゝみひとひらかりそめにうちしきて、三尺のきちやうおくの方におしやりたるぞあぢきなき、