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源氏物語
三十九/夕霧
おのづから人のけしきこゝろばへは、みえなんとの給はせて、このみや〈○落葉〉に、くら人の少将の君お、御使にて奉り給ふ、
ちぎりあれや君おこゝろにとゞめおきて哀と思ひうらめしときく、なおえ覚しはなたじとある御ふみお、少将もておはして、たゞいりに入給ふ、みなみおもてのすのこに、わらうださし出でゝ、人々物きこえにくし、