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安斎随筆
前編四
一膝突〈又軾〉たとへば半畳の如くなるもの也、行事お行はるゝ日、大臣上卿などの仮に膝お突て座する敷物也、古書にひざつきに軾の字お用たり、しかれども誤也、字彙に軾施職切、音釈、車前横木可憑者とあり、此字おひざつきに用るは誤りなれども、久しく用ひ来れり、和名抄にも軾音式、和名車乃度之岐美とあり、ひざつきの訓なし、軾は車の具也、敷物にあらず、