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続世継
四/白川渡
御座のおほひかくなるさおはとりはなちに侍けるお、鳥羽院の位の御ときにや、殿上人のいさかひ給て、そのさおゝぬきてうたんとし給けるより、うちつけられたるとなんきこえ侍、もとなき事もかゝるためしにはじまれるなるべし、その御ざと申は、御倚子とて、殿上のおくのざのかみにたてられ侍るなり、したんにてつくられて侍るなるお、むかしうだのみかど、まだ殿上人におはしまして、なりひらの中将とすまいとらせ給て、かうらんうちおらせ給けるお、代々さてのみおれながらこそ侍なるに、ちかきみよに、つくしのひごの守になれりける、なにがしとかやいふ人の、蔵人なりける時、したんのきれ、とのに申て、そのかうらんのおれたるつくろはんなどせられけるこそ、おこのことに侍ける、