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古事記伝
二十四
枕は麻久良伎氐(まくらぎて)と訓べし、〈○中略〉麻久良久(まくらく)とは〈麻久良加牟(まくらかむ)、麻久良伎氐(まくらきて)など活用(はたらく)、〉枕にするお雲て、鬘(かづら)にするお加豆良久(かづらく)と雲る〈○註略〉と同じ言格(いひざま)なり、又麻伎氐(まきて)とも訓べし、其も同意なり、〈(中略)枕と雲名も、もと麻久(まく)より出て、〓座(まきくら)の伎久(きく)な切(つヾ)めて、麻久良(まくら)と雲なり、凡て何にまれ物お居(すう)る具お座(くら)と雲、枕は物お〓(まき)て頭お居る座(くら)とせるよしの名なり、さて枕にすることお、やがて〓(まく)とも雲なり、手おまく、袖おまくなど雲是なり、又記中の歌に麻久良麻久(まくらまく)ともあり、其は言重なれども、物の名となりては、又其に其の用の言お添雲も常なり、歌おうたふなど雲が如し、〉