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守貞漫稿
十八/雑服附雑事
天徳寺 江戸困民、及武家奴僕、夏紙張お用ふ者、秋に至りて売之、是にわらしべ等お納れて周りお縫ひ、衾として再び売之、困民奴僕等買之て、布団に代て寒風お御ぐ也、今は奴僕は用之歟、困民は不用之、又享保前は是お売歩行く、享保以来廃して今は見世店に売るのみ、蓋天徳寺の名拠お知らず、江戸愛宕山下に天徳寺と雲禅寺あり、こヽに因ある名歟、此物京坂従来所無也、 又古紙張のみに非ず、新紙製もあり、又綿に代るにぼろと号けて、更に不用の古々裁れお集め納るもあり、