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柳亭記

〓紙帳
〓枕といふ名は、今も人しりて、〓紙帳といふ事はいはざる歟、是天道〈延宝九年刻〉追加高政両吟、なぶらるゝ月は昔の人ぼくろ、〓お紙帳の寐所へ秋〈前に両吟とありて、句のぬしお記さず、〉河念仏、〈元禄十四年刻〉明暮かよふ色里の、たよりまもなきみ紙帳一間(けん)にさげて、又に載せたる伊勢音頭の唱歌に、四方から目ざます伽や〓紙帳、といふ事あり、是何人歟の句お書いれたるなるべけれど出所考へず、