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槐記
享保十二年十月廿九日夜、参候、〈○中略〉玉井〈女中局名〉御前にて短檠の灯心は、幾筋に致すが好く候やと申上らる、是は一大事の秘蔵のこと也、凡そ灯心お入るヽこと、三条は四すじより明なり、五筋は六筋より明なり、七筋は八筋より明なり、兎角に半にするがよし、是は獅子吼院殿〈○尭恕法親王〉の発明なり、凡そ灯お半に立るは、真お立るなり、丁にすれば光二つに分る、故に真が二つに立つ故に暗し、両傍おそへに立てヽ、中に一つの真お立る故に、明なりと仰らる、猶なることなり、それより御前の御書写の灯、七すぢづヽなりと、玉井申さる、