続近世奇人伝
五
英一蝶
或時両大国の主、石灯台(○○○)お争ひもとの給ふきこえありしかば、やがて走行て、数多の金お出して、おのがものとし、狭き庭の内にうつしける、折しも初茄子お売者あり、価の貴きおいはず、需て生漬といふものにして喰ひ、彼灯台に火おともし、天下第一の歓楽なりといへり、其磊落豪放およそ此たぐひとぞ、
或時両大国の主、石灯台(○○○)お争ひもとの給ふきこえありしかば、やがて走行て、数多の金お出して、おのがものとし、狭き庭の内にうつしける、折しも初茄子お売者あり、価の貴きおいはず、需て生漬といふものにして喰ひ、彼灯台に火おともし、天下第一の歓楽なりといへり、其磊落豪放およそ此たぐひとぞ、