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還魂紙料

きりこ灯籠
きりこ灯籠のきりこといふに種々の説あり、切籠、又は切紙と書は、紙お切てさげたるより当(あて)たるなるべし、紙捻おこよりといへば、紙にこといふ訓もありて、此説あたれるやうなれど、予〈○柳亭種彦〉考ふるに、切子と書がおだやかならん歟、〈○中略〉さてはしの子、こたつの子といふも、左右に親にたとふべき柱あるに対しての名也、今障子の窻のことお、しやうじの子といふも同意、是よりうつりて総て四角につくる格子やうの物お、組子といふ、その角々お切たるが切子なり、切は隅切角の切、子は組子の子なりと解さば論なかるべし、昔よりきりこの字論あるお、其角うるさくや思ひけん、貞享元年自筆耕せる、蠹集には片仮名にて書り、