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平家物語

とうろうの事
すべて此大臣〈○重盛〉はめつざいしやうぜんの心ざしふかうおはしければ、当来のふちんおなげき、六八弘誓の願になぞらへて、東山のふもと四十八けんの精舎おたて、一間に一づゝ四十八のとうろうおかけられたりければ、九品の台めのまへにかゞやき、光ようらんけいおみがひて、浄土のみぎりにのぞみぬるがごとし、〈○中略〉それよりしてこそ此大臣お、とうろうの大臣とは申けれ、